エベレストに関する重要な情報
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エベレストに関する重要な情報
1.19世紀まではエベレストが世界最高峰であることを誰も知らなかっ1802年英国はインド亜大陸地図作成のため、かの有名な大三角測量調査を開始。重い荷物、起伏の激しい地形、モンスーン、マラリア、蠍など様々な要因によって調査は非常に困難をきたしていたにもかかわらず、隊員達は驚くほど精密な測量を行うことができました。彼らは間もなく世界最高峰の山脈は測量前に一般認知されていたアンデス山脈ではなく、ヒマラヤ山脈であるということを証明します。1852年までに、当時ピーク15と称されていた山(後のエベレスト)が世界最高峰であると特定し、その後1856年までにその山の標高が海抜29,002フィート(約8,840m)であると算出したのです。最先端GPS技術を使用した1,999の測量対象はわずか33フィートしか離れていないことがわかりました。
2.ヒラリー卿とテンジンの登頂成功は世界初?
英国の学校教師ジョージ・マロリーは1921~1924年、エベレスト登頂を試みるエベレスト遠征隊に3度(公式記録による)参加した人物です。「頂上にたどり着けないなんて…そんなことはありえない。下山することすら私には全く想像できない」最後の遠征前に彼はこう書き記しています。1924年6月4日、登山隊の仲間が残り約900フィートの地点までたどり着いた後キャンプへと戻ってきました。すると今度はマロリーがパートナーであるアンドリュー・アーヴィンとともに初の登頂成功を成し遂げるため先を進むことになります。彼らは6月8日に標高26,800フィート(約8,200m)の第六キャンプを出発。ツイードのコートに釘入りのブーツといった全体的に質素な装備で少しずつ歩みを進めていた姿が目撃されたのを最後に、消息を絶ってしまいました。一部の人たちはマロリーとアーヴィンがすでにエベレスト登頂を果たし、下山途中で命を落としたのだと信じています。おそらく2人が携帯していたとされているカメラが、その謎を解明してくれるはずでした。ところが75年を経た1999年、ついにマロリーの遺体が発見された際、彼のポケットに入っていた所持品からカメラは発見されませんでした。またアーヴィンは未だ行方不明のままです。
3.テンジンは初登頂以前、山頂寸前にまで到達していた.
マロリーの死後、10を超える登山隊が登頂を試みましたが成功とはなりませんでした。テンジンはその中の6隊に参加しています。ポーターからスタートし、後に隊の一員にまで地位を上げました。1952年、彼はスイス人登山家とともに当時誰も到達したことのなかった残り800フィート(約250m)の地点までたどり着きました。その翌年にヒラリー卿とともに山頂到達を果たしたため、自身の記録を塗り替えることになったのです。彼らの登頂成功後、およそ4,000名の登山家がエベレストに登りましたが、その中にはヒラリー卿の息子およびテンジンの息子の1人も含まれています。
4.クライマーが命を落としても、遺体はそのまま放置されている
これまで240名の登山者がエベレスト登頂の際に命を落としています。なだれ、岩石の落下、猛吹雪、落下事故、高山病、凍てつく寒さ、極度の疲労。これら単体または複数の要因により、特に標高26,000フィート(約8,000m)以上のいわゆる「死の地帯」は完全に命がけであることがわかります。こうした高峰の下山時に大変な体力消耗と危険を伴うことから、ほとんどの遺体はそのまま放置されているのです。遺体は雪の中にあり保存状態は良く、登山道の分かりやすい目印となっています。1996年5月、エベレストで嵐により8名が犠牲となる大量遭難事故が起こりました。ジョン・クラカワーの著書「空へ-」によって有名になったこの出来事。当時、地球上最高峰を手にかける機会に人々が喜んで数万ドルの大金をつぎ込むという時代の流れを阻止する手立てはありませんでした。頂上付近で登山道の渋滞も報告されており、この年の4月にはヨーロッパ出身の登山者3名と100名のシェルパの間で殴り合いの喧嘩が発生していたそうです。その発端は、ガイドが登山中に配慮を欠き、危険な行為を冒していたとのこと。そうしている間にも少なくとも前年に10名、その年に8名の犠牲者を生む災難が間近に迫ってきていたのです。
5.エベレストの廃棄物問題は遺体を除いては改善に向かっている
1963年には早くもある登山家がナショナルジオグラフィック誌にこう綴っています。「エベレストの一部が“地球の表面上最も標高の高いゴミ捨て場”となってしまった」。空の酸素ボトル、人の排泄物、食べ物の袋、壊れた登山用具、破れたテントなどがエベレストの自然環境を損ない続けています。2011年春に行われた清掃で8トンもの廃棄物を回収しましたが、それでもまだ半分以上が残されたままです。この問題に対し、ネパール政府が対策に乗り出しました。登山者に対し廃棄物を持ち帰るよう求め、それができなければ最初に支払う4,000ドルのデポジットを返却しないという策です。課金政策に加えて登山道に新たなごみ箱および焼却炉も設置されました。
6.山頂付近で生息している動物もいる
エベレストおよび周辺の峰々を含むサガルマータ国立公園は、ユキヒョウやジャコウジカからアカパンダやヒマラヤヤギまで公園内でも比較的低地域で見かけられる様々な野生動物を保護しています。この辺りでは約150種の鳥類も生息しています。ところが高度20,000フィート(約6,100m)を超えると、野生動物はほとんど確認されません。そこは万年雪によって最も厳しい地衣類や苔類が成長できないからです。ところがその厳しい環境の中でも生息している生物もいます。その一つがジャンピングスパイダーです。ジャンピングスパイダーは高度22,000フィー(6,700m)で観測されており、風で飛ばされてくる虫を食べています。カラスに似た鳥、キバシガラスも高度約26,500フィート(約8,100m)まで登山者の後を追うように飛びます。それに、アネハヅルもチベット高原からインドの湿地帯まで、エベレストを超えて移動する渡り鳥です。
7.エベレストは最も標高が高いが、もっと高い山もある!?
ハワイ島にある活火山マウナケアは海抜から標高13,796フィート(4,205m)と、エベレストより低いです。ところがこの山の裾野は海底で、裾野から山頂までは33,000フィート(標高約10,050m)を超えます。この標高は少なくとも観測されている中では世界最高峰です。また、エベレストが宇宙空間に最も近いというわけでもありません。その理由は、地球が完全な球体ではないため。中央(赤道付近)がもっとも膨らんでいることから、最も近いのはエクアドルにある標高20,561フィート(6,268m)のチンボラソ山です。